歯周病の原因

歯周病は、患者様にも歯科医師にも責任がある病気です

「知識不足」「対応不足」が歯を奪う!? 歯周病のこと、どれくらい知っていますか?

歯周病は「お口の感染症」であり、日本人の成人のうち約80%が罹患、もしくは予備軍であるといわれる病気です。程度の差はあっても、ほとんどの成人が歯周病になっていると考えても差し支えないでしょう。また、歯周病は日本人が歯を失ってしまう原因の第一位でもあります。実はこの事実をご存知ない方は多く、さらにその原因とメカニズム・予防法について理解されている患者様はごくわずかであるということが、この問題の深刻さをものがたっています。

患者様の歯周病に対する無理解~ブラッシングやメインテナンス~

歯周病の原因となっているのは、プラーク(歯垢)内に棲み着いている歯周病菌です。そのため歯周病は、正しいブラッシングによってプラークを落とすことできちんと予防できるのです。また、ご自身で行うブラッシングで落としきれない部分は、歯科医院で行うプロケア(クリーニング)を受けることで楽に対処できます。

こうしたことは海外の歯科先進国では「常識」である一方、日本での受診率は国民の5%以下というデータがあり、それが歯周病の蔓延につながっていると言えるかもしれません。歯周病やメインテナンスへの無理解が浮き彫りになっているのです。

歯科医療現場の対応不足~正しい治療と人材の不足~

歯周病の治療や予防については、患者様自身に意識の高さが求められる一方で、歯科医療現場の対応が不十分であることも否定できません。

歯周病予防・再発防止のためには、繰り返し歯科医院へ通院していただき、歯肉や歯の状態をチェックする定期検診やクリーニングを行う「メインテナンス」が重要となります。しかしながら、日本ではこれらのメインテナンスに専門的に従事する歯科衛生士が不足しているという現実があり、歯科医師が兼務せざるを得ないという問題があるのです。歯科医師は他の治療にもあたっているため、歯周病の治療や予防にすぐに対応できるとは限りません。そのため、付け焼刃的な治療に終始する医院も少なからずあります。

このように、患者様の歯周病に対する無理解と、歯科が抱える人材問題という二つの現状が相まって、歯周病がその不名誉な地位(歯を失う原因第一位)を維持する原因となっていると言えるのです。

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